問題解決事例集

問題・ご要望残業代抑制方法①:1年単位の変形労働時間制

解決策

問題事例:
年度初めはとても忙しく時間外労働や休日労働による割増賃金の支払いが多くなります。しかし、その時期を過ぎれば時間外労働はほとんどありません。この繁閑の差を利用して割増賃金の支払いを抑制できないでしょうか。

解決策:
1年以内の一定期間を変形して週40時間を超えない範囲で勤務するとする1年単位の変形労働時間制を導入します。そして、あらかじめ繁忙期や週40時間を超えてしまう週の多い時期は1日の勤務時間を長く、閑散期は勤務時間を短く設定します。

効果:
①あらかじめ繁忙期の勤務時間を長く設定しておくことで、繁忙期や週40時間を超えて勤務した週でも割増賃金の支払いが抑えられます。
②また、実態に即した勤務制度を導入することで1年の労働にメリハリができ、従業員のモチベーションが高まります。

その他注意:
<①1年の労働日数の限度>
○対象期間:1年→280日
○対象期間:3ヶ月を超え1年未満→280×対象期間の歴日数/365日

<②1日及び1週間の労働時間の限度>
1日 → 10時間   1週間 → 52時間
○対象期間が3ヶ月を超える場合に必要な要件
・48時間を超える所定労働時間を設定した週が連続3週間以内である
・起算日から3ヶ月ごとに区切った1期間に、48時間を超える週の初日が3日以内である

<③連続して労働させる日数の限度>
6日
(対象期間中の特に業務が繁忙な期間として定めた特定期間における連続労働日数は、労使協定の定めがある場合には、最長12日まで設定できる)

*1年単位の変形労働時間制を導入するときは、導入の際とその後毎年1回労働基準監督署への届出が必要になります。実態に即した制度の導入は専門的な知識を要する面もありますので、一度専門家の意見を聞かれることをお勧めします。