「知」の結集 ゆびすいコラム

2009.04.20

脳はボケとツッコミ

 脳神経学者のラマチャンドラン博士の書いた「脳のなかの幽霊(角川書店)」という本で、人間は、ウソをついたり、あえて自分に都合の良い解釈をするのは、生きていくためには時には必要(まったくウソをつけず、自分流の解釈が一切できないとなると、今日1日を生きていけません!)で、これを左脳が担当していると解説されています。

 一方、ウソや自分勝手な解釈が行き過ぎないよう、情動的なチェックや時には修正を右脳が担当しています。

   実際、脳卒中で右脳の特定部分の機能が損なわれた患者は、不都合な目の前の事実を本人はまったく悪気なく、拒否したり無視したりするようになることがあります(例えば、腕の麻痺を認めず、動いているといったり、極端な事例ではその腕は他人のものだ、と本気で言うらしい)。

 これは、左脳の、自分に都合のよい行き過ぎた解釈を、右脳が損傷したため、情動的観点から修正できなくなったことによるものです。

 なるほど。要は、左脳と右脳は、ボケとツッコミの関係にあるということか。

 私自身にあてはめて考えると、妻との会話ではなぜか、左脳の行き過ぎ(ウソ、いいわけ)が優勢になるようです(笑)。

(税理士:白井一馬)