「知」の結集 ゆびすいコラム

2009.07.21

携帯電話の中古市場

不景気で低価格商品が売れるなか、中古商品も注目されているようです。

携帯電話の中古商品が首都圏を中心に人気を集めています。売れ筋は、2年前ぐらいに発売された商品で、1万円前後だそうです。

携帯電話といえば、販売奨励金制度が廃止したことがまだ記憶に新しいですが、中古が人気を得たのはこの影響が大きいようです。

消費者が高くなった携帯電話にお金を出したがらない傾向が出ているようです。

また、電話番号が他社携帯でも継続して使えるようになったことも、大きな影響だと考えられます。

携帯を替えやすくなったため、安くで他社に乗り換えようとする消費者が多いのでしょう。

確かに、分割で払うとしても、携帯が5,6万円程するのには、抵抗があると思います。今までの価格が安すぎたのですが、どうしてもその感覚が残っているので、高額だと感じてしまいます。

そのため、高額で買った携帯をリサイクルに出してしまうより、中古として売って、少しでもお金に変えようとする動きもあるみたいです。

一方で、問題もあります。

携帯の会社は、どの会社も中古携帯を認めていません。それは、中古携帯の影響で、新品携帯が売れなくなることを防ぐためです。

また、携帯の盗難が深刻になることも懸念しています。実際、新品携帯を狙う窃盗団も去年から増えているようです。インターネットで誰もが簡単に物を売買できる時代ですから、不正な取引が増加しそうですね。

今後携帯業界では、新品と中古の製品の住み分けが、大切になってくるのでしょう。

この不景気が続けば、アウトレットやPBなどと並び、中古市場も拡大していきそうですね。

リサイクルといえば、環境にも良さそうで、聞こえはいいですが、新品の物が売れないと、製造業や小売業などには大きなダメージです。

新品を売るためには、よりいっそう「価格」や「質」が重要になってきそうですね。

(上田純也)