「知」の結集 ゆびすいコラム
2009.08.07
温暖化と経済
日々進む温暖化。この100年で、日本では約2℃程平均気温は上昇したようです。この温暖化が与える影響は、着々と大きくなってきています。また、集中的な豪雨なども増えています。
この2℃ほどの気温の上昇は、人間以外の方が影響を受けているのかもしれません。
農家では、従来のコメが高温障害でうまく育たなくて、打撃を受けているところもあるみたいです。そのため、暑さに強い品種に替えて、栽培する農家も多い様子です。
また、愛媛ではみかんがうまく育たなくなっているため、実験的に「タロッコ」というイタリアのオレンジを栽培したところ、うまく育ちました。そのため、今まで輸入に頼っていたタロッコを植えて、国内で安定的な収益を得ようとする農家もあるみたいです。
一方、漁業にも大きな影響が出ているようです。水温の上昇により、魚の住処が北上しているようです。そのため、今まで捕れていた魚が、旬の時期に捕れなくなっている状況だそうで、打撃を受けているようです。
それから、陸上の生き物にも影響が大きいようで、この時期の代表的な害虫である、ゴキブリにも変化が表れているそうです。従来は沖縄にしか生息が確認されていなかった、ワモンゴキブリというのが関東地方で増えているようです。ゴキブリの活動時期も、従来の6?7月ごろから、4月後半?5月ごろに早まっているようです。おそらく、他の生物にも同じことがいえるのではないでしょうか。
様々な方面で影響を与えている温暖化なので、経営者の方はこれまで以上に気候変動リスクを考慮する必要がありそうです。
このように、温暖化による変化が大きくなっていく中で、成功する企業、失敗する企業が出てくると思います。変化をチャンスと見れるかどうかが、成功のカギです。成功するための工夫としては、次のようなものがあります。
・豪雨に備えるための、おしゃれなレインコート、レインブーツを作る
・今までより清涼感の強い、又は大判のフェイスシートを作る
・見た目は秋物デザインで、素材は夏物の洋服を作る
・ひざ下丈のトランクスを作る(汗を吸収して、ズボンにくっつかないため人 気みたいです)
・早い時期に、夏物商品を置く(食品、害虫対策商品等)
どれも少し工夫するだけですが、効果は大きいようです。
近年、日本が東南アジアのような気候になっていると言われることもあります。ということは、東南アジアのいいところを日本で活かせられれば、成功するかもしれませんね。
気候の変化に合わせて、自分たちも変化できなければ、成功はないのかもしれません。生物も経営も似ているところがありますね。
(上田純也)