新型インフルエンザが猛威を奮っています。
特に幼児~小中学生の子供を中心に感染者が増加しており、休校、学年閉鎖、学級閉鎖する学校が相次いでいます。大人は子供に比べて発症件数こそ少ないですが、感染拡大防止の観点からは、感染又は感染の疑いがある場合には外出を自粛する等の感染防止対策が必要です。
その際問題となるのが、新型インフルエンザに関連して労働者を休業させる場合の「賃金支払いの必要性の有無」です。
この点について厚生労働省のHPによると、
労働者の休業の理由が…
①新型インフルエンザに感染
・医師等による指導による休業 → 休業手当不要
・医師や保健所による指導や協力要請の範囲を超えた休業
→ 休業手当必要
②新型インフルエンザかわからないが発熱
・労働者が自主的に休む → 休業手当不要(病欠扱い)
・使用者の自主的な判断で休業 → 休業手当必要
③感染者と近くで仕事をしていた
・保健所による協力要請等による休業(濃厚接触者など)
→ 休業手当不要
・保健所による協力要請の範囲を超えた休業や使用者の自
主的判断で休業 → 休業手当必要
④家族が感染
・保健所による協力要請等による休業(濃厚接触者など)
→ 休業手当不要
・保健所による協力要請の範囲を超えた休業や使用者の自
主的判断で休業 → 休業手当必要
とされています。
つまり、医師や保健所等外部から要請のある休業については休業手当が不要であり、使用者の自主的判断による休業の場合には休業手当が必要となります。ただし、これは一般的な考え方であり、休業手当不要とされている場合であっても労使で十分な話し合いをして体制を整えていくべきだと考えます。
確かに感染者が出た場合の対策を立てておくことは重要なことです。しかし、労使や職員同士が協力して手洗いやうがい等基本的な事を徹底して実行していくことがさらに重要ではないでしょうか。労使や職員が一丸となって新型インフルエンザへの対応を考えていくことで、病気に負けない“強い職場”を築いていけます。そうした職場環境の整備こそが何よりも新型インフルエンザの一番の対策に繋がるはずです。
社労事業部 岸本 貴史