「知」の結集 ゆびすいコラム

2009.11.06

金高騰とアメリカドル信認低下

アメリカに端を発した不景気。この影響で、アメリカドルの信用が低下しています。その結果、円高が進んでいます。

しかし、進んでいるのは円高だけではありません。金やダイヤモンドの取引が活発化し、高騰を招いています。

その昔、世界は銀本位制でした。銀を共通の通貨として経済が成り立っていました。しかし、その後金がその地位を奪い取り、金本位制になりました。

それから、イギリスのポンドが世界の基軸通貨として流通していましたが、戦後はアメリカドルが基軸通貨として選ばれて、今日に至ります。

現在、世界各国ではアメリカドルを中心に通貨間の為替制度が確立していますが、歴史的に見ればつい最近のことです。

このような歴史の名残りがあるせいか、金はいまだに資産としての魅力を十分に持っています。不景気や危機になると金価格が高騰します。金は世界共通の資産なのです。

現在の不況の中でも、金はその地位を譲りません。中国やロシアの中央銀行は金準備を増やしているそうです。

金が高騰しているのは、昔の名残りだけが理由ではありません。アメリカドルの信認低下も関係しています。アメリカドルが安くなる前に、金に変えておこうと考える人が多いのです。

現在、世界の基軸通貨はアメリカドルです。しかし、歴史的に見ても基軸通貨は変わります。ユーロがその候補に挙がっていますが、まだそこまでにはなっていません。一方で、世界統一通貨を作るという構想もあるみたいです。

今後、どのような方向に向かうのか、現時点ではわかりませんが、注目です。

日本やアメリカでは、政党が代わって改革が行われている途中です。

会計の世界では「国際会計基準」が、考えられています。世界で会計基準を統一しようという動きです。

世界規模の改革も進められています。今回の世界的不況を機に、今までの経済が見直されています。投資関係など、世界的に改革がもっと進むかもしれません。各国で利害関係が異なるなか、世界はどういった方向に進むのでしょうか。

(上田 純也)