政府の景気対策としてエコポイントがありますが、企業のポイント戦略もこの数年で競争が激しくなっています。
特に、家電量販店はポイント戦略での競争が激しいです。
例えば、A社とB社の2つの家電量販店で値段を比べます。
そして、高いほうのA社の販売員にそのことを伝えると、高い分だけポイントを加算してくれます。
次に、安いほうのB社の販売員に、A社ではポイントを加算してくることを伝えると、A社以上のポイントを加算してくれます。
このやりとりを何度かすると、かなりの還元率のポイントを加算してくれるようです。
ポイントというのは、実質的には商品の値引きに相当するので、企業としては負担になります。
だから、過度なポイント競争は、値引き競争をしているのと同じなので、企業の経営危機や業績悪化となります。
そして、やがてはポイント競争に耐えられない企業が倒産したりして、デフレを悪化させることも考えられます。
また、家電量販店以外でも、ポイント戦略を実施している企業は多いです。
そのため、あるポイントを他の会社のポイントに換えたり、電子マネーに換えたりすることもできるようになっています。
ポイント同士が交換されると、企業間では資金のやり取りが行われるため、結局なんらかの形では、負担を強いられます。
消費者にとってはお得なポイントですが、企業や日本の経済にとってはあまりいいことではなさそうです。
また、2016年をメドに国際会計基準が導入されます。
今までは、会計上は過去の実績に応じて、ポイント引当金を負債として計上すればいいだけでした。
しかし、導入後は売上から発行したポイント分を除外して、除外した分を負債に計上することになります。
そのため、財務諸表は相当悪化することが見込まれるため、債務超過に陥る企業も出てくるかもしれません。
過熱しているポイント戦略にも、そろそろ限界がきているのかもしれませんね。
(上田 純也)