「知」の結集 ゆびすいコラム

2014.04.16

103万円の壁見直し!?

   政府の税制調査会は14日、総会を開催し、専業主婦のいる世帯の所得を軽減させる「配偶者控除」の見直しに向けた議論を始めました。

「配偶者控除」とは、一般的に専業主婦のパート等での年間の収入が103万円以下である場合に、ご主人の所得から一定の金額を控除することができる制度です。

では、配偶者控除がなくなるとどのくらい負担が増えるのでしょうか。

ここではご主人と奥さんの二人暮らしの家庭で、ご主人の年間の給与が500万円、その奥さんが103万円以下の収入をパート等で得ている場合を例として考えました。

(ただし復興特別所得税や配偶者控除以外の様々な規定により実際の金額は異なります。)  配偶者控除の規定のある現在の税制において、国民全員に適用がある基礎控除と今回問題にしている配偶者控除の規定のみを考慮すると、所得税が172,500円、住民税が285,000円となり、合わせて457,500円の税負担となります。

一方、配偶者控除が廃止されてしまう場合には所得税が210,500円、住民税318,000円の合わせて528,500円の税負担となります。

つまり、配偶者控除が廃止されると、実質的に所得税と住民税合わせて71,000円の税負担が増えることになってしまいます。

現在、政府は女性の就労拡大のため「配偶者控除」の縮小・廃止を検討しているようですが、もし決定してしまうと実際の家計には少し負担が増えることになりそうですね。

(中村 圭吾)