「知」の結集 ゆびすいコラム

2015.09.08

相続手続きとマイナンバー

10月からマイナンバーの配布が始まります。早いものでもう1ヶ月をきりましたね。

先日、いわゆる「改正マイナンバー法」が可決・成立しました。

この改正により、金融・医療へのマイナンバー利用が進められることになります。

具体的には、 ①税務調査や社会保障制度における資力調査への利用のため、預金口座がマイナンバーで検索できるよう、任意で適用される。

②法律に基づく予防接種の履歴や特定検診等の情報をマイナンバーを使って管理する。

などといった内容になっています。

さて、タイトルにもありますようにマイナンバーは【相続手続き】にも大きく関係します。

銀行・証券会社等に口座をお持ちの方が亡くなられた場合、相続人への名義変更または払い戻し手続きが必要です。昨今、遠方で親と離れて住む方も増え、親が取引している金融機関を知らないといった場合も多くあります。預金口座がマイナンバーで一元管理されることとなれば、亡くなられた方がお持ちだった口座がすべて検索できることになります。

また、近い将来、戸籍へのマイナンバー利用が検討されており、名義変更手続きの際の書類収集の手間が省けるかもしれません。

しかし、やはりメリットばかりではなく、相続人・金融機関ともに制度に不慣れなため起こる様々な混乱が予想されます。

世間では未だマイナンバーへの理解が深まっておらず、特に年金情報の流出問題もあったため制度に対し不安に感じておられる方も多い中、各分野での運用開始時期は刻々と迫っております。

マイナンバーの適正な利用がされるようにきちんと制度の整備・世間への周知がなされることを願います。

(西山 将史)
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