「知」の結集 ゆびすいコラム

2016.04.15

大病院外来の「紹介外来」、「専門外来」特化による初診料改定

 平成28年4月1日より中小病院・診療所などの紹介状のない患者が大病院を受診する場合、初診については5,000円(歯科は3,000円)、再診については2,500円(歯科は1,500円)を最低金額(医療機関が個別に上限を設定可能)として、窓口負担の徴収が義務化されました。

これは中小病院・診療所は、地域医療の窓口としての機能が求められ、大病院は、中小病院・診療所からの紹介に応じて、重い病気や深刻なけがのためにより高度かつ専門的な医療サービスを必要とする患者を受け入れるという、
①医療機関の分化や、②大病院の勤務医の負担軽減、③将来の地域医療構想などが背景に有ります。

また、大きな目標として、地域包括ケアシステムの構築を目的としています。
高齢化で増え続ける医療費を削減するため、政府は2025年時点の病院ベッド(病床)数を115万~119万床と、現在よりも16万~20万床減らす目標があります。
その受け皿として自宅での在宅医療や、自治体による生活支援や介護施設などの住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるように、地域の中小病院・診療所などを、かかりつけ医として認知してもらうことも今回の改定の背景に挙げられます。

様々な環境の中で、政府が大きな流れを作りそれに沿って少しずつ医療制度が変わっていきます。
今私たちができることは健康を保つことです。将来健康でいるために、みなさまも明日からできることを少しずつしてみませんか?

稲田 光浩
医業