「知」の結集 ゆびすいコラム

2016.06.10

介護療養病床の行方

介護療養病床と25対1医療療養病床(正確には看護配置4対1を満たさない医療療養)は2017年度末(2018年3月)で設置根拠となる経過措置が切れます。
                                                                   このため、20対1医療療養や介護老人保健施設への転換が期待されていますが、思うように進んでいません。そこで厚労省は、介護療養などの実態や求められる機能に着目した「新たな移行先」を模索しています。
新たな移行策については、「療養病床の在り方等に関する検討会」が今年(2016年)1月に次の3類型を提案しています。

【案1-1】医療の必要性が「比較的」高く、容体が急変するリスクのある高齢者が入所する「医療内包型の医療提供施設」

【案1-2】医療の必要性は多様だが、容体が比較的安定した高齢者が入所する「医療内包型の医療提供施設」

【案2】医療の必要性は多様だが、容体が比較的安定した高齢者が入所する「医療外付け型」(病院・診療所と居住スペースの併設型)

制度設計論議は、社会保障審議会の「療養病床の在り方等に関する特別部会」で行われています。2016年末に結論を出すことになってはいますが、検討時間は限られています。

当初は2011年度末に廃止する予定でしたが、介護療養から他施設への転換が十分に進んでいないとして、2017年度末に延長されていたものでした。
再延長もあるかもしれません。今後の動向に注目です。

矢部 恭章

 

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