「知」の結集 ゆびすいコラム

2016.06.27

平成27年度の査察の概要

 国税庁から平成27年度の査察の概要が公表されました。


査察は通常の税務調査とは違い強制的な調査で悪質な脱税を摘発することが目的です。

27年度において査察に着手した件数は189件でした。
27年度以前に着手した査察事案について27年度中に処理した件数は181件、そのうち検察庁に告発した件数は115件であり、告発率は63.5%でした。

27年度に処理した査察事案に係る脱税額は総額で138億円、そのうち告発分は112億円でした。

告発した事案のうち脱税額が3億円以上のものは5件、うち5億円以上のものは1件でした。
告発の多かった業種・取引は「建設業」、「不動産業」、「クラブ・バー」、「機械器具卸」でした。


脱税の手段・方法としては、売上除外や架空の原価・経費の計上が多くみられ、脱税によって得た不正資金の多くは現金や預貯金、有価証券として留保されており不正資金の隠匿場所は様々です。
なかには、契約したトランクルームに保管された段ボール箱の中に現金を隠していた事例もありました。

もちろん脱税は犯罪です。
決して手に染めないように!

中林永一
税 金