「知」の結集 ゆびすいコラム

2016.07.11

社会福祉法人の行政監査

各法人様におきましては、27年度の決算関係書類が整い、現況報告書を所轄庁へ提出された頃かと思います。

7月以降、当該提出書類を基に行政監査が順次とり行われます。
27年度までに全ての社会福祉法人が新会計基準(平成23年7月27日雇児発0727第1号、社援発0727第1号、老発0727第1号)を適用することが義務付けられ、行政監査における会計面の監査内容に変化が生じてきております。

そこで何点か近年の監査指摘事例と解説を記載致しますので、今後の監査の対応や事前書類の作成の参考としていただければ幸いです。

1. 貸借対照表科目の前年度末残高が当年度開始残高と一致しているか。
・・・27年度から新会計基準に移行した法人も多いかと思います。科目によっては移行により数値が変わることもありますが、その計算根拠を求められることもあります。

2. 事業・拠点・サービス区分間の内部取引はあるか、その場合内部取引の相殺消去はされているか。
・・・区分間の内部取引が生じる法人は多いかと思います。内部取引を相殺消去するには各会計ソフトにおいて特殊な登録処理をしなければならず、うまく表示されずに監査の指摘の対象になることをよく見かけます。

3. 財務3表(資金収支計算書・事業活動計算書・貸借対照表)の整合性は正しいか。
・・・支払資金の定義が下記のようになり、資金収支計算書と貸借対照表の整合性をより注視されるようになりました。

また借入金等に1年基準を適用して表示されているか、賞与引当金が設定されているか等の関連項目もチェックされます。
  「支払資金=流動資産-(流動負債-引当金)」(流動資産、流動負債において1年基準により振替えられたものを除く)


名古屋事業部 市川 大介
 

教育・福祉事業