「知」の結集 ゆびすいコラム

2016.07.25

社会医療法人の認定状況

 平成28年7月1日現在の社会医療法人の認定状況が厚生労働省より発表されました。
 同日における社会医療法人の数は268件と、直近で発表された3月31日時点より6件増加しておりました。
 社会医療法人制度は、平成19年4月よりスタートし、法人数は年々増加しています。

 この制度は、要件を満たした医療法人が、都道府県知事に申請し、調査の結果、認定が下りた場合に社会医療法人となることができます。
 社会医療法人は、公益性の高さから、厳しい基準が設けられていますが、それをクリアーできると様々なメリットを受けることができます。

【メリット】
・医療保健業は、法人税が非課税
・救急医療等確保事業にかかる固定資産税、不動産取得税が非課税
・収益事業の実施が可能
・社会医療法人として登記されることによる公益的なイメージ
・出資持ち分の放棄に伴う、経営の永続性の確保
・出資持ち分の放棄に伴う、相続税の節税

【デメリット】
・認定取り消し時の法人税の累積課税
・同族経営の排除
・出資持ち分の放棄により、解散時の分配がなくなる
 国としては、医業の永続性確保の観点から出資持ち分放棄を促すため、平成26年10月より認定医療法人制度を創設しました。認定医療法人制度は、出資持ち分に対する相続税や贈与税の課税を猶予し、のちに出資持ち分を放棄した場合に猶予税額を免除する制度です。

 医療法人出資者の相続税や贈与税の課税を検討することを機に、出資持ち分の放棄を検討される方も多いかと思います。
 出資持ち分の放棄を進めるにあたって、社会医療法人への移行も検討に入れてはいかがでしょうか?

  税理士・医業経営コンサルタント 土屋 英則
 

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