「知」の結集 ゆびすいコラム

2017.01.24

非上場株式の株価計算が変わります

平成29年税制改正により、平成29年1月1日以後の相続・贈与等から取引相場のない株式の評価の見直しが行われ、

類似業種比準方式について以下の点が変更される予定です。

1.類似業種の上場会社の株価について、現行の計算に「課税時期の属する月以前2年間の平均株価」が加えられます。

2.配当金額・利益金額・簿価純資産価額の比重割合が 1:1:1 になります。

3.類似業種の上場株式の配当金額・利益金額・簿価純資産価額に上場会社の連結決算が反映されます。

上記3つのうち、中小企業に影響が大きい変更は、「2.比重割合が配当1:利益1:純資産1に変更」される点です。
改正前の比重割合は、「配当1:利益3:純資産1」でしたので、利益金額の比重が3/5から1/3になるため、
利益金額が株価計算に与える影響も少なくなりました。

そのため、利益水準の高い会社は、株価が下がる可能性があります。

一方、簿価純資産の金額が大きい会社は、比重が1/5から1/3になるため、株価が上がる可能性があります。
中小企業は、経営の安定を確保する観点から、内部留保を厚くすることが多いので株価上昇の可能性が高くなります。
 
事業承継や相続対策で後継者等に株式贈与を考えられている方は、今回の改正が自社株にどう影響するかを確認し、

早めの対策が大切になります。

(本社事業部 吉村 隆宏) 

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