「知」の結集 ゆびすいコラム

2017.06.20

個人から法人に資産を贈与するときは要注意

生前贈与は、個人の相続税対策として効果が高いため、収益物件などの贈与も検討される方が多いと思います。

しかし、贈与先が個人か法人かで課税される税金が違うことは、ご存知ですか?

贈与なんだから、贈与してもらった人が贈与税を納めればいいのでは?とお考えの方は、要注意です。

個人が個人に贈与した場合は、贈与税が課税され、贈与を受けた人が納税します。こちらはイメージしやすい課税関係です。

これに対して、個人が法人に贈与した場合は、贈与税は発生しませんが、代わり所得税が発生することがあります。
これを「みなし譲渡」といい、贈与者が法人に資産を時価で売却したとみなされるのです。

つまり、個人から法人へ資産を贈与した場合、個人は、譲渡所得が発生し、法人では受贈益課税が発生します。  

含み益が大きい資産等を生前贈与をする際は、「みなし譲渡」のように思わぬ課税が発生する場合もあるので、相続対策を考えている方は、一度担当者にご相談下さい。

(吉村 隆宏)

相続・贈与