ご存じのとおり、学校教育法の改正により、平成20年度からすべての幼稚園に“自己評価の実施”とその“結果の公表”が義務付けられました。
しかし、まだまだ多くの幼稚園が実施に踏み切れていないのが現状のようです。
この制度は自由度が高く、評価項目の設定や公表フォームなども各園の創意工夫に委ねられています。
自由度が高いということは、各園の特色を出せるメリットがある一方で、何をどこから取組んでよいか分かりにくい面もあります。
そこで今回は、自己評価の取組みステップをご紹介いたします。
【ステップ1】自己点検
幼稚園向けの自己評価項目を使って、教職員一人ひとりが一年間を振り返ります。評価項目は任意です。各園が自由に決めることができます。最初は無理をせずに、15項目程度から始められた方がよいと思われます。
【ステップ2】点検結果の収集・検討
教職員一人ひとりの点検結果を収集し、園全体としての評価を検討します。皆が意見を出し合うことで、今まで気付かなかった園の強みや弱みが浮かび上がってきます。
【ステップ3】課題の設定
明確になった園の強み・弱みから、翌年度、園全体として取り組むべき課題を決めます。設定する課題としては、教育研修体制の充実や、安全管理体制の強化、地域との連携強化が多いようです。
【ステップ4】報告書の作成・公表
ステップ2と3の内容を報告書としてまとめ、ホームページ等で公表します。定められた公表フォームはないので、各園が自由な形式で作成します。
【ステップ5】PDSサイクルの実施
PDSサイクルとは計画―実行―見直し(チェック)のサイクルのことです。ステップ3の課題が計画(P)となり、その達成に向けて1年間取組み(D)、翌年度末にステップ1の自己点検(S)を行います。
これらのステップを通して、幼稚園運営の継続的な改善・向上を図ります。
経営コンサルタント 津田孝