サラリーマンの方が、その業務にかかる実費負担が多い場合は特定支出控除を使って節税しましょう。
給与所得者の特定支出控除とは、給与所得者で、業務に関連する費用等を自己負担した場合、自己負担した金額の内一定の金額を給与所得控除後の金額から控除することができる制度をいいます。
一定の金額とは「その年中の給与所得控除額×1/2」を超える部分の金額をいいます。
◆具体的に超える部分の金額は以下の金額となります。
①年収400万円 給与所得控除額134万円 134万円/2 =67万円
②年収500万円 給与所得控除額154万円 154万円/2 =77万円
③年収600万円 給与所得控除額174万円 174万円/2 =87万円
◆特定支出とは以下のような支出のうち給与支払者から証明を受けたものに限ります。
・一般の通勤者として通常必要であると認められる通勤のための支出(通勤費)
・転勤に伴う転居のために通常必要であると認められる支出(転居費)
・職務に直接必要な技術や知識を得ることを目的として研修を受けるための支出(研修費)
・職務に直接必要な資格を取得するための支出(資格取得費)
・単身赴任などの場合で、その者の勤務地又は居所と自宅の間の旅行のために通常必要な支出(帰宅旅費)
・次に掲げる支出(その支出の額の合計額が65万円を超える場合には、65万円までの支出に限ります。)で、その支出がその者の職務の遂行に直接必要なものとして給与等の支払者より証明がされたもの (勤務必要経費)
(1) 書籍、定期刊行物その他の図書で職務に関連するものを購入するための費用(図書費)
(2) 制服、事務服、作業服その他の勤務場所において着用することが必要とされる衣服を購入するための費用(衣服費)
(3) 交際費、接待費その他の費用で、給与等の支払者の得意先、仕入先その他職務上関係のある者に対する接待、供応、贈答その他これらに類する行為のための支出(交際費等)
この制度を受けるポイントとしては、会社から業務に必要であるという証明をもらうことです。
そもそもこの制度自体申請する人が少ないため、事前に説明しておいた方が良いかと思います。
また資格取得費用や書籍等についてはキャリアアップを目指しているということなども付け加えることで証明をもらいやすくなるかもしれません。
様式は国税庁が出していますので、こちらを使用します。
税理士業界であれば、大学院授業料や、専門学校の授業料、業務効率化を考えてパソコン教室や、国際業務に対応するため英会話の授業料やそれに関連する各種書籍などが考えられます。
上記のような出費が多くあるような場合は、この制度を受けてみてはいかがでしょうか?
稲田 光浩