「知」の結集 ゆびすいコラム

2019.02.04

給食費の負担方法が変わる!?幼児教育無償化に伴う食材料費の見直しについて

給食費の負担方法が変わる!?幼児教育無償化に伴う食材料費の見直しについて
 
 
乳幼児期の成長を見守る保育の現場おいて、「食育」は健康な生活の基本を培うものとされ、重要視されてきました。近年では保育所の特性を生かした食育として、地産地消の食材を使用したものなど、各園の独自の取り組みも行われています。乳幼児の保護者が入園を決める一つの要素になっていると考えられます。
 
 2019年10月に予定されている幼児教育の無償化に伴い、この給食費の負担方法が変わる方向性であることが、内閣府の公表資料により分かりました。
 
従来は、保育の必要性に応じて行政が行う「支給認定区分」により、食材料費の負担方法に違いがありました。幼稚園等の1号認定子どもは、主食費・副食費ともに実費徴収。保育所等(3~5歳)の2号認定子どもは、ご飯代にあたる主食費のみが実費徴収とされ、副食費は公定価格の補助により減免とされてきました。
一見すると保護者の負担に違いがあるように思われますが、2号認定子どもは保護者が負担する保育料が、減免部分に充てられていることになり、負担方法は異なりますが、保護者が負担しているということに変わりはありません。幼児教育無償化によって、保育料部分が無償化となるため、1号認定・2号認定子どもの食材料費の徴収方法が共通化し、主食費・副食費ともに実費徴収となる見通しです。
 
生活保護世帯やひとり親世帯等については、引き続き公定価格内で副食費の免除を継続する方針で、3号認定子ども(保育所等(0~2歳))は、無償化が住民税非課税世帯に限定されるため、現行の取扱い(全額保育料とみなし減免)が継続されます。
 
負担方法が変わることにより、新たな対策を講じなければならない園も出てきます。例えば、認可保育所で保育料の徴収は市町村が行っている場合、現在2号認定子どもは、主食費のみの徴収、または、主食の持ち込みでの対応が行われています。そのため副食費の新たな料金設定を行い、保護者から徴収するという工程が出てきます。保育料が無償になったにも関わらず、給食費の徴収額が増えるとなると、無償化の実感が薄れてしまうということや、便乗値上げと捉えられてしまう危険性も想定されます。保護者に徴収の仕組みを理解していただくことや、実費の根拠を示す計算など、事前の対策が必要です。
 
仙台支店 佐藤大樹
 
 
教育・福祉事業