「知」の結集 ゆびすいコラム

2020.03.26

学校法人における固定資産の計上

  早くも2020年も春となり、学校法人の決算の時期が近づいてまいりました。
  今回は決算において、まず固めるべき項目である固定資産の計上についてお話ししたいと思います。
 
◆固定資産とは?
  固定資産とは、学校法人が所有する資産のうち長期間にわたって使用することを目的とするものをいいます。(反対に会計年度末の翌日から1年以内に資金化又は消費されると予想されるものは流動資産に分類されます。)
 
◆固定資産の計上基準は?
  固定資産として計上される支出は、1個または1組の価額が一定以上であり、かつ、使用可能期間が1年以上のものとなります。これを満たさないものは、消耗品費などの経費として処理することとなります。
  「価額が一定以上」の基準は各都道府県の処理標準にて定められており、さらに学校法人の経理規定にも具体的に定める必要があります。
 
 

上記が基本的な固定資産の計上基準となりますが、中には基準を満たさない場合でも固定資産として計上しなければならない例外もあります。

◆固定資産計上の例外って?
  固定資産は上記の基準を満たせば計上することとなりますが、下記については価額が一定の金額未満でも固定資産として計上することとなります。
 
  ①少額重要資産
     少額重要資産とは、学校法人の性質上基本的に重要なもので、常時相当多額に保有していることが必要なもの(ざっくりと教育上必要不可欠なものをいいます。)は、金額が少額であっても資産として計上することとなります。
   例:園児用の机、イス、ロッカー、楽器、体育用具など
 
  ②図書
    長期間にわたって保存、使用することが予定されている図書は、金額の多寡にかかわらず資産として計上することになります。
    例:図鑑、大型絵本、DVDなど
 
 
  固定資産の計上に迷ったら、まずは各都道府県の処理標準及び各法人の経理規定を確認するようにしましょう。
  また、一般の会計基準と違い少額重要資産や図書については固定資産として管理する必要がありますので、経費として処理していないか、決算前に確認をしてみてはいかがでしょうか?
 
井上 尭
 
 
教育・福祉事業