国税庁は令和3年4月に、低解約返戻金保険等の名義変更時の所得税の評価の見直し案を公表しました。
今回はその見直し案について確認していきたいと思います。
■低解約返戻保険とは?
保険契約時から一定の期間は解約返戻金が低く抑えられ、その後に急激に解約返戻金の設定額を引き上げる、いわゆる「名義変更プラン」と呼ばれる保険で、スキームは以下の通りです。
①契約者や保険料支払者等を法人にし、被保険者を個人(経営者等)とする
②解約返戻金の設定が低い期間に契約者を法人から個人へ変更し、保険契約の権利を個人に移す
③解約返戻金が引き上げされた際に個人が保険契約を解約し、高い解約返戻金を受け取る
前述②保険契約の権利は、雇用関係に基づく経済的利益の供与として、その変更時の低額な解約返戻金額が「給与所得」として課税の対象となります。
今回見直しが検討されているのは、②契約変更時の給与課税すべき経済的利益の金額で、その中でも、「支給時解約返戻金の額」が「支給時資産計上額」の70%未満の保険となります。
■支給時の評価方法
現行:支給時解約返戻金の額
改正案:支給時資産計上額
■適用対象の保険
令和元年7月8日以降に締結した保険について、令和3年7月1日以後に名義変更を行った場合に適用されます。
適用対象の保険に加入されている事業者様は、ご注意いただければ幸いです。
堺事業部 上塚 未来