今回は「指定管理者制度の収益事業判定」について紹介します。
「指定管理者制度の収益事業判定」は、ケース毎に必要で、実務上、判断することが難しくなっています。
はじめに、「指定管理者制度」とは、地方公共団体が指定する民間事業者等が、住民の福祉を増進する目的をもった公の施設を管理することができる制度です。
例えば、「△△市立図書館の管理を市に代わって、同市が指定する学校法人〇〇学園が管理する。」といった制度になります。
次に、原則として指定管理者制度は、法人税法上の収益事業34業種に該当しないと考えられるため、法人税が課されません。
一方で、指定管理者制度ができる以前は、地方公共団体との管理委託契約として34業種の「請負業」に該当し、収益事業として法人税が課されていました。
上記を踏まえて本題に入ります。
指定管理者制度の中でも収益事業に該当するケースがあります。
1.施設に関する運営を地方公共団体が行っているケース
上記の△△市立図書館で例えますと
・運営:△△市 業務:○○学園
この場合は「請負業」に該当し収益事業と考えられます。
一方で、運営および業務を○○学園が行っている場合は非収益事業と考えられます。
2.指定管理者が運営を行う際に収益事業が生じるケース
上記の△△市立図書館で例えますと
・運営:〇〇学園 業務:○○学園
・△△市立図書館を運営する中で、○○学園が△△市立図書館の内部にカフェを併設
この場合△△市立図書館の業務については非収益事業、カフェについては「飲食店業」に該当し収益事業と考えられます。
上記判定のほか、「指定管理者制度の収益事業判定」はさまざまなケースが散在しています。
また、判断が難しいケースも多いため、指定管理者となられている方や検討されている方は税理士等の専門家へ相談されることをお勧め致します。
税理士法人ゆびすい 和歌山支店 若山博明