「知」の結集 ゆびすいコラム

2023.12.26

幼保業界の市場動向

 2023年12月22日付けて、国立社会保障・人口問題研究所(以下国人研)は2050年までの地域別将来推計人口を公表しました。
 
 人口予測のデータは各所から出ていますが、国立機関である国人研からのデータは精度が高いと考えられ、幼稚園・保育園・こども園などの市場予測データとして有効に活用することができます。
 
 この人口推計は5年に1度行われる国勢調査での実数を元に発表されます。尚かつ、市区町村別・5歳年齢区分での数字が出ている為、マクロな視点での幼保業界のターゲットボリュームの予測には非常に役にたちます。
 
 結果を見ていくと、2020年の国勢調査では、0~4歳児の人口が全国で454万人となっています。少し見方を変えると、0~4歳という5学年分となりますので、1学年で計算すると、約91万人が平均と見る事ができます。直近では出生数が80万人を下回ったというショッキングなニュースがありましたが、5年平均でみるとこの程度の数字になる事になります。
 
 幼保業界の市場動向・予測の為に、今後の数字を見ていくと、今回の国人研の予測値では2030年度は全国で0~4歳児は368万人となり、2020年と比較すると▲15%、2040年では▲19%2050年は更に減り、▲29%が全国平均での予測値となっています。
 
 とは言えこちらは2020年の国勢調査を元にした統計ですので、コロナの影響による出生率の低下がやや小さく反映されている可能性があります。実際に幼保業界ではこの数字よりも厳しいこどもの数の減少局面を迎えている肌感覚があります。
 
 因みにですが、前回2015年の国勢調査を元に国人研から発表された、2020年の予測人口は474万人となっており、実数は453万人でしたので、約4.3%程実数が下振れしたことになります。
 
 幼保業界での人口予測は、そのまま市場規模の予測となります。特にこども園への移行や、園舎の建て替えなど、中長期的な事業計画をご検討の際は、自園の商圏の人口推移がどの程度になりそうかのデータを元にご判断をされる事をお勧めします。
 
 下記添付ファイルでは、各都道府県別の人口予測データを掲載しています。
また、各地の幼稚園連盟や保育園連盟から研修のご要望をいただいて、市町村レベルでの分析も可能となっております。興味がございましたら、ご連絡下さい。
 
 
経営コンサルティング事業部 石川 泰令
 
 

教育・福祉事業