「知」の結集 ゆびすいコラム

2016.02.01

ものづくり補助金3つのコツ

 昨年度で終わりと言われていた、ものづくり補助金(ものづくり・商業・サービス新展開支援補助金)が今年度も実施されることが決定しました。詳細な内容につきましてはまだ中小企業庁からの発表はありませんが、2月初旬からスタートの予定と発表されています。
 ゆびすいも認定支援機関として昨年までと同様、今年度もお客様のサポートをしていきたいと考えております。また過去数年の傾向から、今年度も募集期間が短くなることが予想されますので、応募をご検討されているお客様は、是非早めに準備に取り掛かっていただくことをおすすめしております。

採択のコツ
   まずは公募要領にも書かれているように、「中小サービス事業者の生産性向上のためのガイドライン」を良く読んでいただくこと、またその内容に沿った取り組みをしていただくことがあげられます。同様に特定ものづくり基盤技術に該当する業種の場合は「中小ものづくり高度化法」を参考にしていただくことが重要です。
 これらは国の指針、つまり中小事業者さまへの国からのニーズですので、これらに沿った内容での応募ですと、採択される可能性は大いに上がります。
 残念ながらそれらの業種には当てはまらない場合も、諦めることはありません。
一般的な業種での応募のコツは、「独自性があるか・ターゲットが明確か・強みがあるか」というポイントです。
 例えは・・・そうですね。今日は雨が降っていますので「傘」を例にとってみましょう。コツを無視した感じだと、「新しい傘を開発します。」という表現になります。コツを考えて書くと、「OLをターゲットとした、カラフルな軽い傘を開発します。また当社は既存事業としてナイロン生地に強みを持つアパレルメーカーであり、傘の生地に使うナイロンへの着色技術とOLへの販路に強みを持っています。」というような書き方になります。どちらの事業が上手くいきそうかは、一目瞭然ではないでしょうか。

二つ目のコツ
 「アンゾフのマトリックス」を使った考え方です。ここでは細かい説明は省かせていただきますが、アンゾフのマトリックスとは、「誰に何を売るか?」という営業戦略の基本中の基本部分であり、我々コンサルタントが現場で一番良く利用するスキームです。ものづくり補助金においても既存事業のやり替え、例えば「設備を新しいものに入れ替えて、生産性を少し向上させます。」という既存市場・既存製品で戦うよりも、新しい市場を開拓する市場開拓戦略や、新規の製品を創る製品開発戦略の方が採択率も高い傾向があるように感じます。
 ただしご注意いただきたいのは、新市場・新製品を狙う多角化戦略の場合は、「強み」が薄れる場合が多く、応募書類の作成において実現可能性が低く見えるケースが散見され、やや採択率は落ちる傾向にあるようです。(あくまでも弊社取り扱い事例の場合です)

三つ目のコツ
「投資効率が良さそうか?」というポイントです。当然この補助金は税金を投入して行われる事業ですので、1000万の補助金で売上が800万上がります。という計画では採択は難しいでしょう。
また私共ゆびすいは税理士法人ですので、事業者の皆様が必死に作っていただいた利益の中から、「これだけの額の納税をお願いします」と適額納税をお願いする立場です。事業者様のご苦悩も日々目の当たりにする立場として、1000万の血税が800万の売上にしかならないというようなプランには、認定支援機関のハンコを押すようなマネはできません。
1000万円の補助金を使って、それ以上の付加価値額やGDP貢献額を作ることが採択の大きなポイントとなります。そもそも1000万円という補助金額は一般的な株式会社の創業時の資本金の額です。つまり、新規事業を始めるにも十分な額です。これだけ大きな補助を受けることができるチャンスですので、少しでも可能性があるなら、是非ご応募していただきたいと思います。また私共へのご相談もお待ちしております。

経営コンサルティング事業部
石川 泰令
補助金