「知」の結集 ゆびすいコラム

2009.10.05

オリオンビールと沖縄経済

 先週、沖縄旅行に行ってきました。

 沖縄では、ビールといえば、オリオンビールというブランドがあって、圧倒的シェアを占めることから「県民ビール」と呼ばれています。

 帰ってから、ウィキペディアで調べてみたら。

 オリオンビールが圧倒的シェアをしめる理由が、租税特別措置法による酒税の沖縄限定の減免措置です。これによりライバルメーカーよりも低価格販売が可能です。

 経済振興策として、優遇税制がいくつかありますが、その一つが酒税の減免措置なわけです。

 オリオンビールは、沖縄に本社をおく会社ですから、沖縄の地域経済を支えているといえます。地域雇用への貢献のみならず、生産・流通に携わる小規模零細業者は、相当数にのぼることが想像できます。

 また各種のイベントにも協賛しており、地域経済への効果はかなりの規模にのぼると考えられます。

 現在、沖縄の県民一人当たり所得は全国最低であり、失業率は全国一です。地域経済をささえる特別措置の切実性と優遇税制の撤廃による市場の活性化という問題が、ビールをとおしてみえてきます。

(税理士:白井一馬)