亀井大臣の発言で、「家族間の殺人が増えたのは、日本型の経営を捨てて、人間を人間と扱わなくなったからだ」というのがありました。
グローバル化による日本企業の経営慣行や労務管理の変化が、親族間の犯罪に影響を与えているということです。
確かに、日本企業は変化したかもしれませんが、実際はどうなのでしょうか?
このようなデータがあります。
日本の2007年の殺人事件・・・・1033件
そのうち、13%は面識のない加害者に、87%は面識のある加害者に殺されています。
また、全体の48%は加害者が家族です。家族間のうち父母に対して殺人を起こす場合が1番多いそうです。
アメリカの2008年の殺人事件・・・・7912件
そのうち、22%は面識のない加害者に、78%は面識のある加害者に殺されています。
また、全体の23%は加害者が家族です。
アメリカには日本の約2.4倍の人口がいます。
なので、人口比を考慮すると、日本の殺人事件件数は2479件になります。アメリカと比べると断然少ないです。
また、家族間の殺人事件も、人口比を考慮すると、1180件になります。アメリカと比べると多少少ないです。
このデータをもとに、日米間の経済社会の仕組みや文化の大きな違いを考慮すれば、政策によって家族間殺人の発生に大きな影響を与えるとは言い難いというのが結論だそうです。
つまり、日本企業の変化が、家族間の殺人を増加させたという十分な根拠はないみたいです。
しかし、日本の場合には面識のある人に殺害されるケースが断然に多いので、人間関係には注意したほうが良さそうです。
犯罪を防ぐには、確率的に面識のある人との円滑な人間関係を築くことが有効なのかもしれませんね。
(上田 純也)