「知」の結集 ゆびすいコラム

2013.02.25

明日は我が身??? 遺産争続

 平成25年3月28日、札幌高裁で1つの控訴審判決が言い渡される予定です。

 訴えられたのは、誰もが知っている家具製造小売り大手N社の社長です。

 訴えたのは社長の母、弟、妹2名、の計4名。

 相続が発生したのは平成元年のことです。

 争点は、社長の父が他界し、1年後に作り実印を押印した遺産分割協議書に対して母、弟、妹が「実印は自分たちの意思で押したものではない」と主張したことにあります。

 なお、この遺産分割協議書をもとに相続税申告も終えております。

<遺産分割協議書の概要>  社長    N社株式を全て取得  母     不動産を相続  弟、妹2名 現金1000万円ずつ相続  5年弱に及ぶ裁判の判決が平成24年1月17日に札幌地裁で下されましたが、遺産分割協議書の捺印は各人の意思に基づくと認め、原告側の請求を全面的に棄却しました。

 判決前に和解が成立することがなければ、この控訴審判決が3月に言い渡されます。

 相続税の増税が平成27年に待ちうけているためか最近「相続」「争続」に焦点があてられております。

 死後に円満であった家族が争うことになるのは大変悲しい話です。遺言により分割の方法及びその理由などを明記して、このような事態が起きないような対策をとるべきだと思います。

(土屋 英則)