「知」の結集 ゆびすいコラム

2023.04.21

インボイス制度での交通費、出張旅費を支払った場合、インボイス必要?

 令和5年10月1日から始まるインボイス制度でご相談を受けることが増えてきました。
 その中でも多いのが、交通費や出張旅費の取り扱いです。
 
 インボイス制度が始まると、「仕入税額控除」を認めてもらうためには「適格請求書(以下、インボイス)」が必要となってきます。しかし、電車やバスなどの交通機関については、インボイスが発行されないことがあります。この場合、従業員が立替払いしたのか、それとも事業者が出張旅費として支払ったのかによって、取扱いが異なります。
 
 インボイスの宛名が従業員になっている旅費を立替払いとして処理した場合、インボイスの記載要件を満たしていないため、事業者が仕入税額控除を行うには、立替精算書と従業員宛のインボイスが必要となります。
 一方、事業者が出張旅費として従業員に支払った場合は、立替金精算書やインボイスを保存しておく必要はなく、一定の事項を帳簿に記載することで足ります。
 この一定の事項につきましては、取引の相手方や取引内容、取引金額などの従来から必要な記載事項に加えて、「出張旅費特例」と記載する必要があります。
 
 なお、3万円未満の公共交通機関による旅客運送については、インボイスの交付が免除されています。したがって、従業員が立替払いをした場合でも、従業員宛のインボイスを保存する必要はなく、帳簿に一定の事項を記載すれば仕入税額控除が認められます。
 
 また、通勤手当については、事業者から従業員に支払うものであり、事業者はインボイスを受領することができませんが、上記と同様に、一定の事項を記載した帳簿を保存すれば仕入税額控除ができることとされています。
 
 (注)タクシーの場合は、公共交通機関ではないため、インボイスが必要となります。
 
 
 参考:国税庁 特集インボイス制度公表サイト、インボイス制度Q&A
 
大阪支店 河合
 
 
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