「知」の結集 ゆびすいコラム

2025.09.18

相続における嫡出子と非嫡出子の違い

嫡出子・非嫡出子という言葉をご存知でしょうか。

嫡出子とは、法律上の婚姻関係にある夫婦の間に生まれた子どもを指します。これに対し、婚姻関係にない男女の間に生まれた子どもは非嫡出子と呼ばれます。

女性が亡くなった場合、その子どもは生きている限り、必ずその女性の法定相続人となります。一方、男性が亡くなった場合には、嫡出子は当然に相続人となりますが、非嫡出子は「認知」されていなければ相続人にはなりません。

かつて、非嫡出子の相続分は嫡出子の2分の1とされていました。しかし、平成25年の最高裁判決において、この規定は憲法第14条第1項に定められた「法の下の平等」に反するとして、違憲・無効と判断されました。これにより、平成25年9月5日以降に開始した相続においては、嫡出子と非嫡出子の相続分は同等とされています。

この考え方に関連して、「半血兄弟姉妹」という言葉もあります。

半血兄弟姉妹とは、父または母のいずれか一方だけが共通する兄弟姉妹のことを言います。これに対し、父母の両方が共通する兄弟姉妹は「全血兄弟姉妹」と呼ばれます。

ややイメージしづらいかもしれませんが、たとえば自分の父親が前の配偶者との間にもうけた子どもは、自分と父親だけが共通しているため「半血兄弟姉妹」となります。

前述のとおり、嫡出子と非嫡出子の相続分は現在、同等とされています。この「法の下の平等」に照らして考えると、全血兄弟姉妹と半血兄弟姉妹も同等の相続分を持つように思えますが、実際にはそうではありません。現在も、半血兄弟姉妹の相続分は全血兄弟姉妹の2分の1とされており、こちらは法改正がなされていない点に注意が必要です。

相続税の計算においては、「誰が相続人で、各自の相続分がいくらか」を正確に把握することが非常に重要であり、これは計算の基礎中の基礎となります。ただし、このように複雑で分かりにくいケースも多く存在します。

相続対策に関してご興味やご不安のある方は、ぜひお気軽に、ゆびすいの担当者までご相談ください。

相続専門部 難波 律

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