2025.10.06
インボイス制度は令和5年10月に導入され、多くの事業者が取引先との関係や消費税の取り扱いに頭を悩ませてきました。
その中で仕入税額控除の「経過措置」は大きな救済的役割を果たしています。
適格請求書、いわゆるインボイスがなくても一定割合を仕入税額として控除できる仕組みですが、この控除率は段階的に縮小されていきます。
特に令和8年10月からは従来の80%控除から50%控除へと引き下げられる予定であり、事業者にとっては無視できない変化となります。控除率が下がることで、免税事業者やインボイスを発行しない取引先との取引はコスト増につながる可能性が高まり、仕入コストの実質上昇や収益の圧迫を招きかねません。
小規模事業者は取引先からのインボイス登録の圧力が高まることもあるでしょう。こうした状況を踏まえると、小規模事業者は今からの対応が非常に重要です。
適格請求書発行事業者になるための登録申請は余裕を持って準備しておくべきで、申請から登録まで最低でも15日は掛かる仕組みとなっています。
免税事業者であるか課税事業者となるか、その選択も今後の経営を左右するため、場合によっては早期に課税事業者化を検討することも選択肢となるでしょう。
令和8年10月まで1年を切る状況となってきました。令和8年10月から始まる経過措置の見直しは、多くの小規模事業者やフリーランスにとって重要な転換点です。制度の理解だけでなく、いつまでに何を整えておくべきかを具体的に考え、今から備えておくことが将来の安心につながります。
堺事業部 松山恭太
