「知」の結集 ゆびすいコラム

2025.12.04

令和7年 年末調整の注意点

 

年末調整が本格化する12月。令和7年の留意点とは?

12月に入ると、世間はクリスマスムードに包まれますが、弊社では年末調整モードに突入します。
今回は、令和7年における年末調整の注意点についてご説明いたします。

令和6年は定額減税の導入もあり、年末調整実務が混乱した記憶がある方も多いのではないでしょうか。
令和7年も、基礎控除や給与所得控除の見直しが予定されており、年末調整は年々複雑化している印象があります。

特に新設された**「特定親族特別控除」**は、特定親族の給与収入を正確に把握する必要があり、手間のかかる制度です。


特定親族とは?

特定親族とは、次の要件に該当する親族を指します。

  • 所得者と生計を一にしている

  • 年齢19歳以上23歳未満

  • 合計所得金額が 58万円超123万円以下


新制度が創設された背景

この制度が創設された背景には、次のような問題があります。

扶養している子どもがアルバイト収入の増加により所得が増え、
結果として「特定扶養親族(控除額63万円)」の要件を満たさなくなるケースが増えていました。

令和7年からは、子どもの所得に応じて段階的に**「特定親族特別控除」として所得控除が受けられるようになります。
仕組みとしては、配偶者の収入状況に応じて控除額が変動する
「配偶者特別控除」**に近いものです。


必要となる情報収集

これまでも、配偶者控除・配偶者特別控除の適用判定のために、
配偶者のパート収入やアルバイト収入を正確に把握する必要がありました。

今後は、特定親族に該当する方の収入情報も同様に正確な把握が必要となります。


年末調整が遅れる場合の対応

特定親族の収入情報の収集に時間がかかり、年末調整の処理が遅れる場合には、
やむを得ず概算金額で年末調整を行うケースも生じます。

その場合は、後日、アルバイト先などからの源泉徴収票を確認した上で、翌年1月末日までに年末調整をやり直すことをご検討ください。

岡山事業部 西村

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