「知」の結集 ゆびすいコラム

2026.02.24

確定申告前に確認したい「開業費」の取扱い

開業準備にかかった費用は「開業費」として一定の方法により経費化することができます。

ただし、すべての費用が開業費になるわけではありません。

今回は、個人事業主の方からよくご質問をいただく「開業費」の範囲と取扱いについて解説します。

 

〇開業費とは?

開業費とは、事業を開始するまでの間に、開業準備の目的で支出した費用をいいます。

例えば、次のものが該当します。

・市場調査費用

・打ち合わせに掛かった費用や交通費

・広告宣伝費

・開業前の事務所家賃

・名刺やホームページ作成費用 など
 

一方で、次のようなものは開業費の対象とはならず、それぞれ別の方法で処理することになります。

・商品仕入代金(売上原価となります)

・事務所の敷金(将来返還が予定されているため差入保証金として資産計上)

・礼金(開業費以外の繰延資産となるため)

・パソコンなどの資産で取得価額が10万円以上のもの(固定資産として減価償却)

※なお、法人にも「開業費」はありますが、対象期間の考え方が異なります。

個人事業主の場合は、事業開始前の準備支出が対象となり、法人では会社設立後から事業開始までの間に支出した費用が対象となります。

 

〇開業費の取扱い

開業費は将来の事業活動のための支出という性質があるため、支出時点では経費ではなく「繰延資産」として資産計上し、次のいずれかの方法で経費に算入します。

・60か月の均等償却

・任意償却(任意の年に開業費の一部または全部を償却する方法)

 

任意償却を選択できるのが開業費の大きな特徴で、

・開業初年度に全額を経費にする

・数年に分けて少しずつ償却する

・利益が少ない年は償却しない

などの事業状況に応じた処理が可能です。
 

開業費は、開業時特有の重要な税務項目ですが、対象範囲や対象期間を誤ると修正が必要になることもあります。

確定申告や開業時の経理処理でご不明な点がございましたら、どうぞお気軽に弊社までご相談ください。

 

税理士法人ゆびすい 大阪事業部

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