「知」の結集 ゆびすいコラム

2009.03.17

譲渡所得の申告が減少

 確定申告が16日の申告期限をもって終了しましたが、私共の事務所でいえば今年は昨年に比べ譲渡所得の申告件数が少なかったようです。

 譲渡所得は土地や建物といった不動産の譲渡があった場合の申告のことですから、土地の売買件数が減少していることを意味しています。

 そこで、土地の売買を活性化するため、21年度税制改正では、 《1》事業用の土地を取得し、これを5年間保有すれば、将来譲渡したときの利益のうち1千万円が非課税となる優遇措置が設けられる予定です。

《2》 さらに、平成21年?22年の間に事業用の土地を取得すれば、別の土地を売ったことによる税金の6割?8割が繰延べとなる措置も設けられます。この優遇措置を受けるには、土地の取得年度に税務署長に届出をすることが必要です。

 だたし、取得後10年以内に譲渡することが必要です。

 これらは、個人、法人ともに設けられます。

 気を付けたいのは《2》です。

 将来別の土地を譲渡する予定はなくても、ともかく、特例の申請をしておくべきでしょう。

 いざ別の土地を売ることになれば、課税繰延措置が受けられるからです。

(税理士:白井一馬)