「知」の結集 ゆびすいコラム

2009.03.18

最後の決断は感情でする

 不確実な状況でも脳はどのような行動をとるかを判断します。

 例えば、電車に入った瞬間、どの座席に座るかを瞬時に判断できるのも脳科学的には脳の創造性ゆえのことなのだそうです。

 これはコンピュータにはできません。

 不確実な将来に対し、どのような決定を下すかという意味においては、経営ほど不確実なものはないといえなくもありません。

 日頃経営者の皆様とお話をさせていただきますが、どの社長も正解のない未来の決断に悩み、考え抜いておられます。

 脳科学的には、決断の舵取りをするのに感情が大切な役割を果たしていると説明されています。

(脳と創造性「この私」というクオリアへ 茂木健一郎 PHP 69ページより)  「現代の脳科学では感情は理性によって押さえ込まれるべき単純で原始的な衝動ではなく、むしろ人間の知性のもっとも高度なレベルにいたるまで世界を秩序付け、意味づける際に本質的な役割をはたす、ある意味ではもっとも高度な脳の働きの一部とみなされるようになっている。

 あるものに価値があるか、自分がある行動をとることが良いことか悪いことか、ということを「判断」することは、最も大切な感情の働きのひとつである」    よく、重要な決断には占いやゲンをかつぐ経営者がいますが、これも脳科学の見地からは、正しいことなのです。

(税理士:白井一馬)