日曜日(5月17日)にNHKで「シリーズ マネー資本主義」という番組が放映されていました。100年に1度の経済危機といわれるなかアメリカを中心に何が起こっていたのかを紹介するドキュメンタリーです。
当時のグリーンスパンFRB議長は、止まらない住宅価格の高騰を抑えるため、それまでの金融政策を変更し政策金利を上昇させる政策をとりました。
ところが、政策により短期金利を上昇させても、長期金利がまったく反応しません。長期金利が上がらないから住宅価格の上昇も止まらない。従来の経済原則では考えられないことです。
これをグリーンスパン議長は「謎」と表現しました。
私は何かの本で次のような趣旨の文章を読んだのを記憶しています。
グリーンスパン議長は住宅価格の高騰を目の当たりにして、100年に1度の技術革新により世界経済の構造が変わったのかもしれない、という趣旨の発言をしています。つまり、これはバブルなんかじゃないのでは、ということです。
しかし現実はそうではありませんでした。すでに世界経済にはバブルの循環が発生してしまっていました。
まさにバブルは、崩壊してみないとわからないということだと思いました。
時代が変わってしまったと認識するのは今の時代重要なのですが。
時代(原理原則)は変わっていないと認識することも重要なのですね。
でもそれは、時代が経ってみないとわかりません。
何時の時代でもそれは同じだとは思うのですが、状況の変化が早く、かつ大きいのが今の時代なんだな、と番組を見ながらあらためて思いました。
(税理士:白井一馬)