「知」の結集 ゆびすいコラム
2009.06.09
改正薬事法
6月1日に施行された改正薬事法は、小売業界に影響を及ぼしそうです。
改正での大きな影響は主に2つです。
1、医薬品がドラッグストア以外でも買えること。
2、インターネットで医薬品が買えないこと。
医薬品がドラッグストア以外で買えるのは消費者にとっては便利でプラスになるのではないでしょうか。近くのコンビニでも買えるとなれば、気軽に買いに行けます。しかし、すべての医薬品が手に入るのではありません。
医薬品は1?3種に分けられます。この中で、1種は薬剤師がいないと販売できず、2,3種は登録販売者という資格があれば、販売できます。
登録販売者とは、都道府県が実施する登録販売者試験に合格した方のことです。
つまり、登録販売者がいれば、ドラッグストアでなくても、薬剤師がいなくても、医薬品を売ることができるのです。
これは、ドラッグストアにとっては大きな問題です。近くコンビニやスーパーで医薬品が買えれば、わざわざドラッグストアに行く理由はなくなります。
しかし、現在ドラッグストアでは、コンビニやスーパーのように食べ物や飲み物を置いているところがほとんどです。価格もコンビニやスーパーより安かったりします。それなのに、逆にコンビニやスーパーには、法律の縛りがあり、医薬品が置けませんでした。
そして、改正薬事法により法律の縛りが解けて、医薬品はドラッグストアのみの市場ではなくなりました。
これからは、小売業界がもっと激しく争うことになるでしょう。
現に、大手のスーパーはプライベートブランドの医薬品に力を入れているのだそうです。
便利になるかと思えば、不便になることもあるのが改正薬事法です。
インターネットでの医薬品の販売が原則禁止されます。ビタミン剤などのリスクの低い商品を除き、インターネットでは医薬品を買えません。医薬品が手に入りにくい離島などでは猛反対されているようです。2年間の経過措置は設けられているものの、すぐに販売できなくなります。
インターネットで医薬品を販売している会社にとっても死活問題です。
改正薬事法は我々にとって、プラスなのかマイナスなのか。色々意見が分かれると思います。しかし、改正薬事法はすでに施行されました。今後どのような影響を与えていくのか、見極めるにはもう少し時間が必要なのかもしれません。
(上田純也)