「知」の結集 ゆびすいコラム

2009.06.11

AED

AEDをご存じでしょうか? 駅、学校、ショッピングモールなど、人が集まる場所に置いてあるのを見かけることも多くなりました。

AEDとは、Automated External Defibrillator の略で、日本語訳すると自動体外式除細動器です。

名前は難しいですが、要は、心臓マヒの人を救う装置です。

なぜ、この装置を見かけることが多いのか。

日本人の死因で1番多いのは、ガンです。そして、2番目が、心臓病です。

心臓病にも色々ありますが、心臓病のうち、急性心筋梗塞で亡くなる方は毎年5万5000人ほどです。主に、この方々を救うためにAEDがあります。

急性心筋梗塞になると、高確率で心身細動が起こります。心身細動とは、心臓から全身に血液を送れなくなること。血液が送れなくなると、いずれ心臓は停止します。そこで、AEDで心臓に電気ショックを与えることで蘇生します。

AEDの使い方ですが、簡単です。

AEDには2つのパットがあるのですが、1つを左右どちらかの肩の下に、もう1つを肩と反対側の胸の下に張り、ボタンを押すだけです。

音声案内もついているので、これに従えば間違いないですね。

もし、倒れた人がいたらどうするのか。

以下の3つです。

1、意識と呼吸の有無を確認し、救急車とAEDの手配をする。

2、気道の確保と心臓マッサージをする。

3、AEDが到着したら、パットを張って使う。

少しやることが多く、気が動転しているとできるのか不安ですね。

しかし、人の命がかかっているので、あわてず行動することが大切です。

心臓マヒでの救命率は、1分ごとに10%低下するそうです。時間との闘いです。最近AEDが多く設置されているのは、このためです。救急車が到着するまでの間に、近くにいる人がAEDを使うことで、救命率を高めるためです。

医療の知識がないのに使うのは、ためらうと思いますが、決断力が重要です。

人の命を救う場面に滅多に遭遇することはないと思いますが、通勤や休日のショッピングなどで遭遇することは考えられます。いざというときのために、覚悟を決めておくことも必要かもしれませんね。

しかし、保育園でAEDを買うと助成金が出るが、会社や幼稚園で買うと助成金が出ないというような問題もあります。これから改善されていくといいですね。

(上田純也)