「知」の結集 ゆびすいコラム

2009.07.08

中小企業の現状

政府は景気が底打ちだと判断しましたが、世の中の99%程を占めると言われる中小企業の現状は厳しいものです。まだまだ底を這っているという声も聞こえます。実際私も、様々な業種の企業の方とお話しさせて頂きますが、まだまだ景気が良くなってきているとは実感しません。

こういった状況になるのは、ずっと前から予測できたことです。そこで政府は昨年から「緊急保証制度」を実施しました。この制度は簡単に言うと、金融機関が融資をする際に、公的機関が保証することにより、簡単に中小企業が融資を受けられるようにする制度です。

この制度に申し込みが殺到し、政府も予算を6兆円から30兆円に増やしました。だが、融資の審査基準が従来と同じであったため、受けられない企業があるなどの問題もあったみたいですが。。

しかし、この制度での融資額もどんどん減っているみたいです。つまり、融資を受けられない程、財務状態が悪化している企業が増えているということです。

また、大手企業であっても、かなり苦しい状況は同じで、中小企業には厳しい値下げ要求が出されることもあるみたいです。去年の原材料高騰の際には値上げを受け入れてもらえず、今回は値下げを突き付けられて大変という声もあります。

大企業であっても厳しいと思いますが、本当に中小企業に厳しい状況が続いていることが感じられます。

一方で、こんな時に、資金繰りが良くなる会社もあるみたいです。もちろん、融資を受けて手元資金が潤ったというのがあります。さらに、売掛金などの債権を回収したが、売上が少ないためその資金の使い道がないのではないかという意見もあります。

どちらにしても、まだ厳しい状況はしばらく続きそうなので、今後の危機に備えることが1番なのかもしれません。

実感の出ない「景気底打ち」宣言は、釈然としない気分ですが、いつ実感できるのしょうか。

(上田純也)