「知」の結集 ゆびすいコラム

2009.08.28

「ゲーム理論」でじゃんけんに勝つ

「じゃんけんは運しだいだ。」と思っていませんか?実はそうではありません。じゃんけんのように、一見運次第でどうにもならないようなことでもゲーム理論を応用した戦略的思考を使えば、合理的に対応できるのです。

「ゲーム理論」とは2人以上のプレーヤーが戦う場合の意思決定を研究したものです。現在では、「人間関係」「営業」「交渉」「戦略」さらには「戦争」にまで使われる最強の思考法になっています。

では、じゃんけんに「ゲーム理論」を応用してみましょう。

最初に出すのはパーです。なぜなら、数学者が以前に学生725人に11,567回のじゃんけんをさせ、グー、チョキ、パーの出された回数を分析した結果、 グー  :4,054回(約35.0%) チョキ :3,849回(約33.3%) パー  :3,664回(約31.7%) と「グー」が出される確率が一番高かったのです。

従って、それに勝つ「パー」を出すべきです。

では、最初にパーを出してあいこになった場合どうすればいいのでしょう? これも、数学者が実験しています。

あいこになった場合に次に同じ手が出された確率は22.8%でした。つまり77.2%の確率であいこの次は別の手が出されるということです。

従って、あいこの次に出す手は「あいこの手に負ける手」です。

最初に「パー」を出すわけですから、それであいこになった場合は次の手は「グー」ということです。

同じ考え方で、「グー」であいこになったら、次は「チョキ」です。

結論としては、「パー」「グー」「チョキ」の順で出していけば、勝つ確率は高くなるでしょう。 「ゲーム理論」ではここから先がメインになります。つまり、相手もこのじゃんけんの順番を知っていた場合にどう対応するか?ということを考えていきます。それについては、ま次回お話しします。