「知」の結集 ゆびすいコラム

2009.10.08

組織再編税制

 平成13年以降、合併や会社分割、株式交換といった組織再編に関する、税制上の大きな改正が行なわれています。

 しかしこれが簡単ではありません。なにしろ組織再編というのは、ヒト・モノ・事業まで含めた組織の移転です。

 これに統一的な原則と例外処理を定めようということなので、あらゆる行為を想定しているために、条文は膨大なものになっています。原則となる要件があり、その例外となる条文のなかに、原則と例外が出てきます。つまり例外の原則と例外の例外があり、ケース別に条文が存在すたため、どこに落とし穴があるのか専門家でも判別し難い条文構成になっています。

 これがある意味専門家の仕事を作り出してるのも事実で、組織再編税制の専門税理士・会計士という人がたくさんいます。

 しかも、組織再編税制というのは、不況時に節税対策になりやすい制度なのです。価値の下落した資産や赤字子会社を使い、グループ会社の節税に利用しやすい制度なのです。

 どこまでが節税でどこからが租税回避なのか明らかでない部分がいたるところに転がっている、それが組織再編税制です。

(税理士:白井一馬)