「知」の結集 ゆびすいコラム

2009.11.02

ドラッグラグ

日本と欧米の間には、平均して2年半のドラッグラグがあります。

ドラッグラグとは、国が薬を承認するまでの時間に差があるということです。つまり、日本では欧米で承認された薬が2年半後でないと承認されません。

これは、大きな問題です。実際、高額な未承認の薬を個人で輸入する場合もあるそうで、早期の解決が望まれています。

ドラッグラグが起こるのは、日本が薬を承認するスピードが遅いからです。未承認薬が多いのには主に2つ理由があります。

1.患者が少なく、費用対効果が悪いこと 2.審査員が少なく、承認が遅くなること これらを解決するために、政府として対応して欲しいところですが、今後の動向が注目されます。

医療機器にも同じような問題が生じているようです。

日本にはいい製造業の会社がたくさんあります。中には、この不況で本業の部品が売れないため、医療機器のメーカーに転向した会社もあるぐらいです。

しかし、世界の医療機器メーカーと戦うには、国内の承認スピードが遅いことは不利になります。

精密で、手先が器用な日本人は、医療器具でも世界と充分渡り合えると思います。世界にはばたく新たな日本の会社を生み出すためにも、医療関係の制度が整備されるといいですね。

(上田 純也)