「知」の結集 ゆびすいコラム

2009.11.20

年次有給休暇の買上げ

最近、退職時等に未消化となった年次有給休暇について、 買上げを要求される事例が増えてきています。

そこで、今回は年次有給休暇の買上げに関する注意点を 採り上げたいと思います。

先に結論を述べますと… 『一定の条件の下で、買上げが可能です。』 まずは、年次有給休暇についてお話したいと思います。

年次有給休暇は「仕事による疲労を回復し、ゆとりのある生活を 送ること」を目的に付与が義務付けられました。

法律では「雇入れの日から起算して6ヶ月間継続勤務し、 全所定労働日の8割以上出勤した職員に対して最低10日(常 勤職員の場合)の年次有給休暇を与えなければならない。」 とされています。

さらに、勤続年数に比例して以下のように付与日数が決められています。

勤続年数(年) 0.5 1.5 2.5 3.5 4.5 5.5 6.5以上           ↓  ↓  ↓  ↓  ↓ ↓  ↓ 付与日数(日) 10  11  12  14  16  18   20 また、週所定労働日数が4日以下かつ週所定労働時間が 30時間未満の非常勤職員に関しては、週所定労働日数に 応じて年次有給休暇が比例付与されます。

では、これらを基に年次有給休暇の買上げについて お話したいと思います。

原則として、年次有給休暇の買上げは法律で禁止されています。

しかし、次のいずれかの条件を満たす分については、買上げが 可能となっています。

(1) 時効(付与されてから2年間)により消滅した年次有給休暇 (2) 退職時点における未消化の年次有給休暇 (3) 法律が定める付与日数を上回って付与している年次有給休暇 このように年次有給休暇の買上げは可能ですが、 上記の年次有給休暇を必ずしも買上げる必要はありません

本来の目的に沿って、できる限り消化してもらい、 このような問題が発生しないような運用をすることが 望ましいでしょう。

社労事業部  村本 直人