「知」の結集 ゆびすいコラム

2009.12.10

年末調整の意味

12月も半分を迎えようとしています。今年もあと少しですね。

なにかとバタバタしてしまうこの時期ですが、税金の世界でも例外ではありません。「年末調整」で忙しくなるのが、この時期なのです。

年末調整といえば、給料を貰っている方なら、耳にしたことも多い言葉だと思います。既に扶養控除申告書や保険料控除申告書などを書かれた方も多いでしょう。それでは、年末調整とは何をしているのでしょうか? 年末調整は簡単にいうと、給料から毎月天引きされる源泉所得税が適正額かどうかをチェックしているのです。

つまり、「給料から12ヶ月間天引きされた源泉所得税」「1年間に貰った給料に扶養親族や支払った保険料など必要な金額を考慮した所得から計算した所得税」の額が異なっていないかをチェックしているのです。

その結果、給料から税金を多く天引きされた方はその分が返ってきますし、足りなければ、少ない分を納めます。

年末調整をするためには1年間に貰った給料の額や支払った源泉所得税の額が必要なため、12月分の給料が確定しないと、税金の計算ができません。そのため、この時期に行われるのです。

実際には、毎月定額の給料であれば、12月の給料の金額がわかってしまうため、給料日前に早めに計算してしまうこともあります。この場合は、12月の給料の金額が変わると税金の計算も変わっていますので、注意が必要です。

とにかく、扶養控除申告書や保険料控除申告書などを提出することで税金が安くなるかもしれませんので、提出すべきでしょう。

最近では、税制改正でも扶養控除(子供や親を養うために必要な金額に税金がかからないようにする制度)が無くなって、特定扶養控除(扶養親族のうち16歳以上23歳未満の人がいる場合に、通常より税金を少なくする制度)は継続するそうです。

こども手当との関係で変わるそうなのですが、来年以降は扶養控除申告書が変わるなんてこともありえそうですね。

(上田 純也)