「知」の結集 ゆびすいコラム

2009.12.03

新卒者の雇用環境

来春卒業予定の大卒者の内定率は10月1日時点で、62.5%だそうです。昨年に比べると7.4ポイントも低下しています。具体的には、来春卒業予定の大卒者のうち16万人が就職が決まっていないそうです。短大、高専、専修学校生なども合わせると、約34万人の新社会人が仕事に就けない状況です。

景気悪化の影響で、雇用環境は厳しいままです。回復する見通しも立たない状況です。それが、新卒の雇用にも影響を与えていることが伝わってきますね。

しかし、一概に求人がない状況とは言えないようです。

大卒者の求人倍率は1.62倍で、求職者より求人の方が上回っています。2000年は求人倍率が1を切っていましたが、内定率は63.6%で今年を上回っています。

つまり、仕事はあるが、採用には至っていないということです。

それでは、なぜ、採用しないのでしょうか? 簡単に言うと、優秀な人材しか採らないようになっているようです。企業も余裕がないので、どうせなら幹部になれるような優秀な人材が欲しいと思っているようです。

雇用環境が悪化しているといわれていますが、全体的にみれば意外と新卒採用は多いように思います。高齢化で退職者が増えるので、その分採用するということでしょうか。しかし、学生には厳しい状況なので、将来を担う若者たちには努力が求められそうですね。

(上田純也)