「知」の結集 ゆびすいコラム

2010.01.06

シナリオプランニング

「シナリオプランニング」という言葉を聞いたことがありますか?プランニングという言葉から、何かを計画することだというのは予測できるかもしれません。

シナリオプランニングとは、経営手法の一つです。リスクに対応するための1つの方法なのです。

シナリオプランニングとは、簡潔に言うと、未来のシナリオを作ることです。つまり、複数の未来のシナリオを具体的に作ることで、様々な場合に対応できるようにしようという経営手法なのです。

例えば、ガソリンを売っている会社があります。

ガソリン税が減税になり需要が増えるのか、また原油高が高騰して需要が減るのか、現状が続くのか。

色々なことが考えられますが、このようなシナリオをできるだけ具体的に作り込むことが大事です。

ガソリン税が減税になっても、環境問題への意識から需要が伸びないのか、割安感や高速の値下げで需要が伸びるのか、違う税金がかかるのか。

こうやって、シナリオプランナーと呼ばれる方たちが、説得力のあるプランニングを立て、それに対応できるように経営するのです。

この方法は、どれも具体的で説得力のあるシナリオを作るので、どのシナリオでも将来性がないと見込まれる事業は必要ないことになります。

このように、事業の選別にも役に立ちます。

もともとシナリオプランニングは、第2次世界大戦のときに、相手の動きを予想して、戦略を考えるために開発されたそうです。

個人的には、スポーツなどでも使われているように思います。

この手法を経営的に応用させることで、経営手法として確立したのです。

色々なプランニングを立てなければならないため、かなり手間のかかる作業だと思います。

しかし、先の読めない未来に常に対応していくためには、1つではなく、数種類のシナリオを用意することも効果的かと思います。

悲しいことに、最近は不況で景気が上がるというシナリオは描きにくいですが、各国の政府も活用しているというシナリオプランニングを試してみてはいかがでしょうか? (上田 純也)