「知」の結集 ゆびすいコラム

2010.08.30

日本の眠れる資源

日本は資源のほとんどを輸入に頼っていますが、世界トップクラスの埋蔵量の自然エネルギー源があるそうです。

それは地中に含まれる地熱です。具体的には、地下でマグマに温められた天然の熱水や蒸気だそうです。

温泉大国であり、世界有数の火山大国である日本ならではの資源です。

国内埋蔵量は世界第3位になるようです。

この地熱を使って電力を生み出すのが、地熱発電です。地下まで穴を掘って、出てきた熱水や蒸気を使ってタービンを回し、発電します。

運転を始めると、40?50年は天候に左右されず、安定的に発電できるようです。

しかし、地熱発電をするには、問題もあります。

1つ目はコストです。穴を掘りあてるまでには、いくつも掘ることもあるため、コストがかさみます。1本掘るのに、数億円が必要なため、多大な費用になります。

地熱発電で発電された電気も高くは売れないため、利益が出るほどの収入も見込めない状況です。

2つ目は開発できないことです。火山の近辺は国立公園に指定されて、法的に開発ができない場合が多いのです。国が対策を打たない限り、問題は解決しません。

それから、低コスト化を進めるには技術開発などが必要ですが、国の補助金などの支援も受けられないため、その技術開発も進んでいないようです。

せっかくの資源もうまく利用できていないのが現状のようです。

初期投資はかさみますが、国としても対策を考える必要がありそうですね。

(上田 純也)