世間では、もっぱら消費税の増税に話題が集中しがちですが、みなさん「復興特別所得税」については知っておられるでしょうか?
昨年の12月2日に創設された特別措置法により、「平成25年から25年間、所得税を現状+2.1%上乗せします」というものです。給与所得のみならず、譲渡所得に対する所得税にも上乗せされますから、所得の出る不動産の譲渡時期には注意を払うべきでしょう。
また、高所得者は先日交付・施行となった24年度税制改正の影響が今後大きく出てくるでしょう。といいますのは、給与収入が1,500万を超える場合の給与所得控除が245万円の頭打ちとなったことの増税と、上述の復興特別所得税の付加が同年度開始となるためです。
では、どれくらい影響が出るか試算してみましょう。
(例)給与収入2,500万円の方
改正前:2,500万?295万(給与所得控除)?38万(基礎控除)
=2,167万円
2,167万円に対する所得税は、587.2万円
改正後:2,500万?245万(給与所得控除)?38万(基礎控除)
=2,217万円
2,217万円に対する所得税は607.2万円+12.75万円の特別所 得税が付加され、合計619.95万円
前後で、32.75万円増える計算となります。
復興財源として有効に使ってもらえるのなら、負担増も納得です。
無駄遣いだけはやめてほしいものです。
(矢部恭章)