法人が内国法人から配当等を受けた場合に、その受取配当
等の全部または一部を課税所得の計算上益金に算入しない
こととする規定として「受取配当等の益金不算入制度」が
あります。
具体的には、受け取った配当等の基となる株式等の区分に応じ
益金不算入額を計算します。
?完全子法人株式等(100%子会社)に係る配当等の額
については全額、
?関係法人株式等に係る配当等の額については、受取配当
等の額から負債利子のうちその株式等にかかる部分の金額
を控除した金額、
?その他の株式等に係る配当等の額については、受取配当
等の額から負債利子のうちその株式等に係る部分の金額を
控除した金額の50%相当額が益金不算入額となります。
この負債利子の計算方法には原則法と簡便法があります。
原則法とは、総資産按分法とも言われ負債利子の額に当期
末及び前期末の総資産の帳簿価額の合計額に対する当期末
及び前期末の株式等の帳簿価額の合計額の占める割合を
乗じて計算する方法をいいます。
簡便法とは、当該事業年度の負債利子の額に、基準年度に
支払う負債利子の額の合計額に対する基準年度の原則法に
より計算した控除負債利子の額の占める割合を乗じて計算
する方法をいいます。
ここでいう基準年度とは平成22年4月1日から平成24
年3月31日までの2年間に開始した各事業年度を指します。
この基準年度については2年前に見直しが行われ、現行の
前期(22年度)と当期(23年度)となりました。
昨年度は前期(22年度)の負債利子の額をそのまま
用いればよかったのですが、今年度は前期と当期の
負債利子の額を用いて計算することになります。
これによって、基準年度見直し前の21年度、見直し後で基
準期間を1年間として算定する22年度、見直し後で基準期
間を2年間として算定する23年度と3年連続で簡便法によ
る負債利子の控除割合が異なるものになりますので、簡便法
を用いる場合は注意が必要です。