「知」の結集 ゆびすいコラム

2013.01.16

思い込みの力

 思い込みの力というものは目には見えないものですが、人間の意識の力であるため、ものすごく強力な力を持っています。

 初対面での第一印象で相手との関係性が左右されるように、人は一度思い込みを持つと、その力が強力に働きます。

 最近高校の部活動での体罰問題が話題になりました。

 私は正直このニュースを初めて聞いたときになぜここまで大きな問題にするのかと思いました。

 なぜそのように思ったのか…  それは私自身が高校時代に多少は体罰を受けながら部活動を行い、その経験が今の自分に活かされている。

 つまり体罰は体育会系の部活動にあってしかるべきと思い込んでいたからです。

 このように考えておられた方もなかにはおられたのではないでしょうか?  ただし、この件に関してはメディア等でいろいろな方の考え方を聞いて、今までとは考え方が変わりました。

 いろいろな考え方の中で、本当に指導力のある人間であれば体罰などの強制的な指導をせずとも人を伸ばすことができるということについては、当たり前のことではありますが今回痛感しました。

 顧問の先生が部を強くするために体罰が必要と考えていたと話しているようにこれは間違った思い込みが生んでしまった悲劇です。

 ここまでですと思い込みの力というのは悪いイメージがあるかもしれません。

 しかし、「人は、自ら思った通りの者になる。」(ジェームズ・アレン…イギリスの思想家)と言われるように、良い方向にこの力を導くことができると大きなことも成し遂げることができます。

 昨年日本では政権交代がありました。

 連日大きく報道されていますが、現在アベノミクスと呼ばれている経済対策の実行に取り掛かっています。

 政権交代後、まだ具体的な対策を実行されたわけではありませんが、日経平均が10,000円を超え、円安の動きがでています。

 これはまさに政権交代をしたことにより景気が良くなると考える人間が増えたことによる思い込みの力かもしれません。

 景気が良くなると考えた時、今までも良くなっていないのだから無理だろうと考えてしまいがちですが、景気が良くなるとみんなが思い込むことによって日本の景気が良くなるかもしれませんね。

 過信はいけませんが、これからの一年景気が良くなると思い込んで日々の生活に取り組んでみるのもいかがでしょうか? (水野上 崇)