「知」の結集 ゆびすいコラム

2013.08.01

NISAのリスク

少額投資非課税制度いわゆる、NISAが話題になっています。

NISAの概要として、 ・毎年100万円の非課税投資枠が設定され、設定後 5年目の年末までが非課税期間になります。

・上場株式等や株式投資信託の配当(分配金)や譲渡 益等が非課税となります。

非課税と聞くと、得をするというイメージが強いですが、 NISA口座で運用するにあたって、様々な留意点があり ますので、今回は知っておかなければならない2つのリス クについて説明したいと思います。

①NISA口座と他の特定口座は損益通算できません。

→例えば、NISA口座で譲渡損が発生し、特定口座で譲 渡益が発生した場合、口座間の損益通算はできません。

②課税口座へ移行した際の取得価額は、非課税期間終了時 の時価となります。

→例えば、NISA口座で平成26年に時価100万円の株式を 取得し、非課税口座終了時の時価が60万円となり、課税口座 へ移行した後80万円で売却した場合、80万円と非課税期間終 了時の時価(=取得価額)60万円との差額20万円は譲渡益と なり、税率20%で課税されます。

実際は100万円で取得した株式を80万円で売却して損をしてい るにもかかわらず課税されてしまいます。

なお、NISAができる関係で、平成26年以後は上場株式等 の配当や譲渡益にかかる軽減税率10%が廃止され、元の税率 20%に戻ることにも注意が必要です。

(高田祐一郎)