少額投資非課税制度いわゆる、NISAが話題になっています。
NISAの概要として、
・毎年100万円の非課税投資枠が設定され、設定後
5年目の年末までが非課税期間になります。
・上場株式等や株式投資信託の配当(分配金)や譲渡
益等が非課税となります。
非課税と聞くと、得をするというイメージが強いですが、
NISA口座で運用するにあたって、様々な留意点があり
ますので、今回は知っておかなければならない2つのリス
クについて説明したいと思います。
①NISA口座と他の特定口座は損益通算できません。
→例えば、NISA口座で譲渡損が発生し、特定口座で譲
渡益が発生した場合、口座間の損益通算はできません。
②課税口座へ移行した際の取得価額は、非課税期間終了時
の時価となります。
→例えば、NISA口座で平成26年に時価100万円の株式を
取得し、非課税口座終了時の時価が60万円となり、課税口座
へ移行した後80万円で売却した場合、80万円と非課税期間終
了時の時価(=取得価額)60万円との差額20万円は譲渡益と
なり、税率20%で課税されます。
実際は100万円で取得した株式を80万円で売却して損をしてい
るにもかかわらず課税されてしまいます。
なお、NISAができる関係で、平成26年以後は上場株式等
の配当や譲渡益にかかる軽減税率10%が廃止され、元の税率
20%に戻ることにも注意が必要です。
(高田祐一郎)